Asahi Business Consulting|朝日ビジネスコンサルティング

朝日ビジネスコンサルティング 福岡・九州を中心にサービスを提供するコンサルティング会社です

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マーケティング.1

勝てる部分で勝負する

 A社は「男の趣味道具」にあたる専門品を中心に取り扱っている専門小売業である。直営店を九州中心に全国展開しており、その規模も全国1、2位を争う優良企業である。しかし、取り扱う商品の性質から今後の市場成長は不透明であり、既に展開されている店舗数、規模からも市場は飽和状態であり、今後の大きな収益増加は見込まれないと予測されている。
 このような状況の中A社は「がまんの時期」として、経費、投資支出の抑制を中心とした利益率向上を戦略の柱としていた。
 また、利益率を向上させる施策として「プライベートブランド商品(自社オリジナル商品。以下、PB商品とする)の販売強化」を検討していた。
 A社経営戦略部の話では「自社PB商品は、ナショナルブランド商品(一流メーカーが製造している商品。以下、NB商品とする)のものよりも品質は落ちるが、一定の品質は確保している。また、原価はNB商品に比べて圧倒的に安く抑えられるため、顧客に対して商品を安価に提供でき、かつNB商品よりも高い利益率を設定できるため顧客、自社ともにメリットがある。しかし一方では、顧客からNB商品を安く買いたいというニーズが強く、店舗の販売スタッフからもPB商品の販売強化には否定的な反応が多い」とのことであった。A社経営陣は、コンサルタントの山上に、「プライベートブランド商品の展開を今後どのように考えるべきか」というコンサルテーションを依頼した。
 山上は、事実を正確に把握するため商品カテゴリーごとにシェア、品質、機能、顧客の購買履歴などを精緻に分析した。
 分析の結果、商品カテゴリーごとにPB商品が健闘しているもの、惨敗であるものはっきりとした傾向が見られた。「男のこだわり」に関係するような高単価な道具については、圧倒的にNB商品のシェア、顧客の支持が高く、また商品自体の品質、機能、デザインについても差が見られた。しかし、消耗品など商品単価が低い関連商品にあたるものについては、品質の違いもさほど見られず、逆にPB商品の方が、機能、デザイン面における顧客からの支持が高かった(もちろん価格が安いという面も大きい)。また、そもそもPB商品の投入が「これならうちでも作れる」という感覚的な判断のみに基づきなされていることも明らかになった。
 山上は「当面、PB商品は関連商品に特化し、この中でブランドイメージを確立していくこと」を提言した。そして、PB商品改革のCFTを立ち上げ、PB商品開発にあたる部署の人材強化、データ分析に基づく商品開発メソッドの確立、販売状況をモニターし、逐次最適なアクションを取ることができるようなPDCAサイクルの構築など今後効果的にPB商品が利益を生み出していけるようなインフラを構築した。
 小売業であるA社において、自社で本格的な製品の設計から販売まで一気通貫で行うのには限界がある(メーカーを買収するなどすれば可能であろうが)。事実を正確に把握し、勝てる部分で地道に勝負し、その範囲を広げていくのが利益を向上させる鍵である。
(登場する人物・団体はすべて架空のものです)

文/朝日ビジネスコンサルティング・古川 武史
takefumi.furukawa@asahibc.co.jp

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