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意思決定プロセス.1

思考停止の危機

 宮下社長が経営するA社は、アパレルメーカーであり、創業以来、コアブランドの売上が右肩上がりの伸びを示し、生産すればするだけ売り上げがあがるというヒットブランド偏重の会社であった。しかしながら、昨今の海外企業の進出や経営環境の変化の早さに経営判断のスピードがついてこれず、ここ数年売り上げは前年並みかやや下降の傾向を示していた。
 社長は、経営判断のスピードを上げ、現場のオペレーションに至るまで変革をするように各セクションの取締役に対し指示は出すものの明確な方向性や指針というものが出ないまま今日を迎えており、今期の各セクションの方針も非常に曖昧なものとなっていた。
 「このままでは、他企業に飲み込まれる」。
 誰にも言えない悩みを抱えた社長は、ある会合で同席したコンサルタントの山上を思い出し、連絡を取ったのである。
 当時を振り返り、宮下社長は言う。「漠然とした危機感を持ったが、何から手をつけるべきかを迷った。あのまま漫然と経営をしていれば、今はないのかも知れない」。
 連絡を受けた山上は、まず社長と会い話を聞いた。これまでの財務諸表、経営方針、販売戦略、人事戦略、業務オペレーション…等。山上は言う。「この段階で確認したかったことは、社長が会社の方針を決定する際に何をベースに判断してきたのかということ。経営方針が悪い、戦略が明確でない等の課題を炙り出すことではなく、どのような意思決定プロセスを持っているのかであった」。
 一通りの確認を行った山上は、A社の置かれる現状の認識、経済環境の変化等の外部環境の把握と、社内環境の把握が正確に行えておらず、どちらかというと、思い込みの中で経営が行われている危機感を感じた。社長ワンマンの経営手法のリスク回避が行えていなかったのだ。
 このことを確信した山上は、宮下社長に「今のままではゆで蛙現象に陥りかねない。早急に様々な改革を行う必要がある。しかし、その前に社長と各取締役が現状認識を正確に行うことがまず必要だ。」と話をした。
 これを受けた宮下社長は、すぐに山上にコンサルテーションを依頼した。山上は、各取締役を前に、思考停止状態の現状とそのリスクを明快に伝え、外部環境と内部環境を正確に理解する必要性があることを伝えた。取締役からは把握しているとの声が上がったが、詳細な質問をすると答えが出てこない。数度のミーティングを行う中で、認識の甘さと実行力の必要性を伝え続けたのである。このような厳しい会議を続け、現在では、社長をはじめとする経営陣の「思考停止」状態からの脱却が図られ、経営判断と変革のスピードを上げている。
 宮下社長は実感を込めて話す。「経営陣が問い詰められる場面は確かに少ない。コンサルテーションの中であれほど、追い詰められ、必死に答えを探し出す取締役を見たことがなかった。様々な経営手法が出ては消える世の中だが、思考停止状態にならないために常に自問自答を繰り返す経営陣でなければ、今の世の中、行きぬくことは出来ない」。
(登場する人物・団体はすべて架空のものです)

文/朝日ビジネスコンサルティング・古川 武史
takefumi.furukawa@asahibc.co.jp

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