Asahi Business Consulting|朝日ビジネスコンサルティング

朝日ビジネスコンサルティング 福岡・九州を中心にサービスを提供するコンサルティング会社です

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意思決定プロセス.2

ものさし作り

 機器の委託製造を行っているC社は、売上高は数年間維持しているものの利益率の低下に悩んでいた。利益率の低下を危惧した吉田社長は、製造に関わる社員を集め「コストダウンを図れ!」、営業社員には「利益率の高い仕事を請け負ってこい!」との号令をかけるのであるが、利益率は上がらず社員のモチベーションも下がる一方であった。「なぜ、俺の言う通りに動かない…」。吉田社長は業績の上がらない現状に頭を悩ませ、同期の社長が導入して課題が解消したとの話をしていたコンサルタントの山上に相談をした。
 社長に初めて会った山上は、まず社長の抱えている悩み・課題を聞いた。社長は、前年をクリアはするものの売上高が伸びない点、原価率が上昇しており利益率が減少している点、社員のモチベーションが上がらない点を強調し、説明をした。山上からは、製造及び営業に関する業務オペレーションについて、各工程・部門の評価の基準についての質問を行った。
 山上は言った。「御社の製造形態においては、個別の原価計算を正確に行う必要がある。しかし、現状は、曖昧なままでの算出のようだ。コスト削減というお題目を掲げても、小さな改善は出来ても大きな改善には繋がらない。成果を求めるための改善にはものさしが必要であって、そのものさしがないがために、今の状況があるのではないか?」。この言葉は、社長の心を揺さぶった。今まで、売り上げが上がらない営業社員を指導すること、コストを削減せよと叫ぶことで指示を出していたつもりでいた。そう思うからこそ、自分の思い通りに動かない社員に対しての失望感さえ抱いていたのであった。
 吉田社長は、思わず山上に呟いた。「そのものさし作りを行いながら、業務オペレーションの改善を行うことは可能ですか?」。山上は答えた。「社長ご自身の言葉として、今回の改善の目的とポイント、期待される成果について社員に対して説明を行い、改善に関するモチベーションを高めるということであれば、お手伝いしましょう。」
 ここからの改善プロジェクトは早かった。最終目的は、原価コントロールを行い適正な利益を生み出すこと。当然のことながら、営業プロセスについても顧客志向を徹底することで売上増大を図ることである。この目的を達成するために、原価を正確に把握できる仕組みとコントロールすべき点の整理(工程におけるボトルネックの整理と改善)を行った。一方で、営業部分のプロセスに関しても徹底した顧客ニーズの追及と管理プロセスの強化を図った。委託先企業への訪問、ニーズの発掘だけでなく委託先企業の顧客に対してもアプローチを行い、顧客ニーズを具現化し、製造プロセスの改善に繋げた。また、顧客リストの作成とポイントについても整理を行い、何を管理し、どのようにアプローチを行うのかという点についても強化を図った。これにより、各プロセスごとのものさしを定義し、モニタリングしていく仕組みが出来上がった。また、ものさしが出来たことで、改善ポイントが明確になりアクションも取れるようになり、評価も明確になった。業績が上向きになると同時に、社内にも活気が戻ったのである。
 吉田社長はこう話す。「見えないものは改善できない。課題も結果も見えるからこそ改善が出来るのだ。」
(登場する人物・団体はすべて架空のものです)

文/朝日ビジネスコンサルティング・古川 武史
takefumi.furukawa@asahibc.co.jp

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