Asahi Business Consulting|朝日ビジネスコンサルティング

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第3話 「改革のシナリオ」

ケース1.~(株)○○菓子本舗の場合

 業績改善と社内風土改革を目的としたプロジェクトチームが発足した。チームメンバーは、若手で結成され、これまで製造部、営業部、経理課、情報システムに所属していた社員である。メンバーは、これから何度も「このような修羅場を会社内で味わうとは…」と感じるようになるのである。  メンバーは専任されたものの、何をどのように行っていくのかについての認識を持つことが難しかった。そのようなメンバーに対してコンサルタントの山川は、最初の会議の席上で、メンバーに課せられたミッションについて話した。
 「このチームは、前回のキックオフミーティングでの宮下社長の話のように業績を回復させるための施策立案と実行の旗振りを行います。そのためには、社内風土改革が必要不可欠になってきます。いろんな場面であつれきが生じることが想定されますが、そのプレッシャーに負けないハートをお持ちの皆様方であれば、乗り越えることが出来るはずです」
 「改革には、これまでの社内ルール、慣習は忘れなければなりません。すべてをゼロベースで考え直すことが必要になってきます。ゼロベースで考え、仮説検証を行い、課題と実行策を立案します。
そのために、まず、現在の会社の状況を把握することから始めましょう。その中で、どのように現象を把握し、問題点を認識し、課題を設定していくのかという思考プロセスについて意識をしてください。課題に関する共通の認識を持つことも重要ですが、課題を設定するまでの共通の思考プロセスを身に付けてもらうことが今後のプロジェクトでは重要です」
 そのように話したあと山川は、前回、経営幹部向け現状分析報告会で話をした内容を同じように説明した。(詳細は先月号を参照)。大きく分類するとマネジメントに関する課題とオペレーションに関する課題の2つが存在していること、多くの課題を一様に取り扱うことなく4つの課題に注力すること。4つの課題とは、戦略の再構築に関する課題、効率化を目指すための業務の流れとコンピューターシステムの活用に関する課題および組織機能強化に関する課題であること等々を、この結論を導き出した現象、原因分析、あるべき姿の定義、課題抽出、優先順位の設定という順番で詳細を説明していった。
 プロジェクトメンバーは、考えた。各部署が多くの課題を抱えている。ただし、見えているものは目の前にあるものだけであった。これが部門最適になっていた原因ではないだろうか。全体としての問題の抽出とその原因分析を行うことで、社内での取り組むべき課題が明確になってくる。社長を初め経営陣から各現場のパート社員、アルバイト社員に至るまで、具体的な事実関係や数字の裏付けを示していく報告書で、現実を把握した。強烈な反省を全員が感じた。
 ひどい経営、管理、そして仕事の進め方であった。人ごとではすまされない、自分も問題があったと思えてくる。この明確になった取り組むべき課題をいかに社内に伝えていくべきなのであろうか。また、これら4つの課題をどのように解決していくのか。次のステップが勝負となる。この日を境に、プロジェクトメンバー間では、いかに改革の内容を全社員に伝えていくべきかの議論が始まった。
 議論が進むにつれ、メンバー間では自分たちが感じたように社員に伝えるべきだという意見でまとまった。自分の仕事の進め方に至るまでの現状の反省は、これから始まる大きな変化に対する心構えを作ってくれる。現状の問題点、課題に対する共鳴こそが改革へのモチベーションを高めることになるのだ。
 次に改革の方向性・コンセプトを作り上げていく議論に移った。山川は議論の最初に考え方を伝えた。
 「これから作成していくのは、大きな改革の方向性です。詳細な業務のルールや中身まで踏み込むことではありません。しかしながら、それが改革を実施するとどのような結果が得られるのか、立案した改革の方向性が間違いでないということをどのように証明していくのかについての議論は必要不可欠です。また、各種の方向性を結ぶコンセプト、シナリオが必要になります。すべてを実行すれば業績が必ず向上するという絵になっているのか否か。それが出来ていなければやめたほうがいい。プロジェクトチームが発する改革内容は、現実をしっかり見据えており、ウソのない実現可能な施策と、将来の姿が見えなければならない。ここで逃げ場を作るようなチームであってはならない! 基本的な視点は次の通りです。

 1. 収益を上げるために必要な施策は何か、ターゲット市場はどうなっているのか、新たなターゲット市場はあるのかないのか、市場を活性化させる施策か、市場に対して自社製品シェアを拡大していく施策か。
 2. 施策を実施するための組織機能は問題がないのか、組織を整理あるいは強化することで収益獲得の確率は上がるのか。
 3. 業務効率を上げるうえで、問題となっているのはやり方なのか、システムなのか、抜本的に変更すると問題になることはないのか、効果は大きいか。
 4. きれいごとを言ってはいないか、そのまますぐに実行に移せるか。
 5. 重要な部分はメンバーだけの議論で結論を出してはいけない。各部署の責任者を巻き込み、検討を行う必要がある。明日から実施をしたいと話して可能かどうか」
 これらの視点から、プロジェクトメンバーの活動が始まった。時には、孤立感さえ味わうこととなる。それでも前に進むしかない。
 議論が始まり、打ち出されたコンセプトは以下の通りである。
 1. 顧客のニーズを徹底的に把握した商品開発を行う。
 2. 戦略的な販売プロセスを再構築する。
 3. 原価を含むコスト削減を徹底的に実施する。
 4. これらの施策を実施するのに必要な人材育成プランを用意する。

 山上は言う。「ようやくスタート地点に立った。これからが修羅場となる」

文/朝日ビジネスコンサルティング・古川 武史
takefumi.furukawa@asahibc.co.jp

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