Asahi Business Consulting|朝日ビジネスコンサルティング

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第4話 「改革の実行(業務プロセス)」

ケース1.~(株)○○菓子本舗の場合

 プロジェクトチームが立ち上がり数ヶ月が経った。改革コンセプトを次の4つに絞り、具体的な行動プランの作成が行われた。
 1. 顧客のニーズを徹底的に把握した商品開発を行う。
 2.戦略的な販売プロセスを再構築する。
 3.原価を含むコスト削減を徹底的に実施する。
 4.これらの施策を実施するのに必要な人材育成プランを用意する。


 改革の実行に移るにあたり、山川はプロジェクトチームに次のように話した。
 「改革の方向性を打ち出した後、具体的な変革プランの作成に着手してきました。現場の責任者とともに、この数カ月間、皆さんは明日から実行可能な行動プランを練ってきました。大きなプレッシャーを味わうことも、孤独感を味わうこともあったと思います。しかしながら、それでもまだ会社は何も変わっていないということを再認識してください。これから先が本番です。会社が変われるか否か。それは、ここから先の現場のメンバーを巻き込んだ業務変革が出来るか否かにかかっています。これまで、現場の責任者に対して説明を行い、プランを考えた以上に厳しい状況が見えてきます。なぜならば、これまで行ってきた作業を変更するということに対し、多くの人間はまっさきに拒否をする姿勢を取るからです。変革した後のビジョンや、変革の目的を的確に伝えていく作業と、実際に作業を行っていくことこそが重要なものになってきます。
 これまで、数カ月の間、会社の現状を分析し、問題点を認識し、課題を設定してきました。その状況を分かっているメンバーの皆さんがこれからは社内改革の指導者として変革を推進し、実現してください。」
 プロジェクトメンバーは変革実行者として、各現場に降り立った。変革プランを作成した現場責任者とともに、これから変更していく業務の流れ(プロセス)の説明に入った。説明内容は、これまでの活動に対する大きな反省点を述べ、変更箇所を伝えていくというものであった。プロジェクトメンバーが、これまでの業務に対する問題点、反省を伝え、それを受けて現場責任者が変革を行う業務、作業を伝えていく。
 次のような説明が営業部署に行われた。
 「今回の変革では、顧客志向を中心にした商品企画と販売企画の強化が大きなポイントを握る。当社にとって、これらの機能がなかったわけではない。部署もあったし、担当する従業員もいた。能力が低いわけではない。しかしながら、これから私たちが目指す企業像と比べると物足りなさが残る。顧客志向といいながら、これから先、当社が取り組んでいかねばならない顧客の声を聞けていなかった。顧客の声を聞く、顧客志向とは、声に出されたものだけではなかったのだ。声に出さない顧客の声を聞く、まだ当社を訪れない顧客の声を吸い上げる等、これまでより広い意味で、真の顧客の声を聞いていくプロセスを確立していく。そこから、商品企画も始まるし、営業戦略やプロセス作りが始まります。」
 ここまで説明を行った時点で社員から、質問が出た。「顧客の声を聞くというのは耳障りがいいが、これまでだったやってきた。これまでと違う点が見えないし、そこからどのように会社が変わるのか見えない。具体的に説明をして欲しい。」多くの社員がそのように感じていた。現場責任者は、ここが全員を巻き込むチャンスだと考え、具体的プランを説明した。
 「これまでやってきた部分もあるが、やってこなかった点も多い。例えば、当社を利用したお客様がどのような傾向を持っているか知っていますか?印象、イメージではなく、具体的に数値として、当社を訪れるお客様の購入単価、来店頻度、購入動機。それから、初めて購入されるお客様が選択される製品、選択されない製品、2度目に購入される製品、時期的に購入される製品。また、購入されなくなる、来店されなくなるきっかけを生む製品、店舗、販売チャネル、或いはそのきっかけ…。一度、購入されたお客様からは思いつくだけでもこれだけの情報を頂ける。それが溜まっていれば、傾向値としてお客様をセグメント化できる。しかしながら、当社の中でこれだけのことを、どこまで真剣に行い、現場にフィードバックしてきていますか?個人単位では別だが、少なくとも私はそのような指示を出したことがない。しかしながら、顧客志向だの、お客様の声を聞けだの言ってきた。いつからか表面に浮かんでいるものだけを捉えて、物事を判断していた。それを反省し、会社の仕組みとしてこれらを実践していきたい。」この言葉で、現場は静まりかえるとともに、熱い思いが共感できたのである。
 一人の社員が発した本音。これをきっかけとして、猛烈なこれまでの反省と具体的な展開の説明。多くの従業員を巻き込むプロセスはここにあったのだ。
 同じような活動が製造部でも行われた。製造原価の低減については日頃から製造部のテーマでもあった。毎年取り組んできた課題でもあった。しかしながら、今回はもっと踏み込んだ改革をしていくこととなる。「原材料について、これまで仕入業者しか見てこなかった。もっと以前の生産者から考えた仕入業者対策については無関心であった。また、製造工程に関しても、工程毎の改善作業は行ってきたが、工程順番の変更や、レイアウト変更、機械化すべき部分、機械化すべきでない部分。作業効率を上げるために何が必要なのか?
 これらを考える仕組みを導入していく。」との具体的な話が展開された。営業部署同様に、大きな意識の変化が見れるようになった。
 山川は言う。「経営陣が不退転の決意を固め、プロジェクトメンバーや現場責任者の後押しをしたこと、全社員への説明において、どこまで追い詰めてるのか?反対にどこまで以上に追い詰めてはいけないのか?改革事例を説明する際に、実際に行っていること、出来ていなかったことを明確に伝えたこと。これを実践し、社員を巻き込んだこと。これらが出来た。ようやく山が動き出したのだ。これらを支えるインフラ、人・組織、ITの変革も急がねばならない。」

文/朝日ビジネスコンサルティング・古川 武史
takefumi.furukawa@asahibc.co.jp

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