Asahi Business Consulting|朝日ビジネスコンサルティング

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最終稿 「ここまでの挑戦から見る構造改革の本質」

 ここまで約2年間にわたり「わが社の構造改革」と題して、菓子会社、ビジネスホテル、建設会社、飲食店の4社の事例をコンサルタントの山川の視点から物語風に紹介してきた。場面、背景は違ったが、そこに横たわる課題を認識し直し、真の改革を成し遂げるための現場の汗がそこにはあった。
 本シリーズの最終稿として、ここまでのストーリーから見える構造改革、つまりは「現場を変える」という取り組みについて整理してみよう。
 全体をまとめる前に、少しだけ振り返ってみると…。

ケース1「菓子本舗」

 必要性を感じながらも変革できない社内風土が招いた老舗メーカーの経営危機。直面した経営者と現場が本気で改革に取り組む姿を描いた。「必要性を感じている」にもかかわらず「変わらない」、いや「変われない」会社の根本の原因を明確にすることこそ、改革のスタートであり、最重要テーマであった。具体的な改革ステップでは業務面、組織面、そして情報技術の面から、多くの変革を行ったが、人の意識改革、つまりは社内風土改革ができたからこそ成功したと言えるし、ここまで行うことが出来て初めて会社に改革意識が醸成されたと考えられた。

ケース2「ビジネスホテル」

 ものすごい勢いで競合が乱立しはじめた業界で、勝ち残りをかけた戦略を描いていく姿を描き出した。近年の経営環境の変化は、これまでに経験したことがないスピードで起こっている。変化のスピードに対して企業対応スピードが遅い場合に起こる危機の中で、環境変化を含んだ経営計画を立案していった。このストーリーで重要な点は、変化に敏感になることと、計画を実直に行うことであった。成り行き任せの経営ではなく、一歩先を見渡し、何を仕掛けていくのか? この答えを経営者自らが見つけだすことの必要性を強調された。

ケース3「建設業」

 業界不況と言われる中で、企業存続をかけた方策を考え、実行するという現場の姿を描いた。業界構造自体に問題を抱える企業が、その逃げられない環境の中でいかに生き残る方策を見出していくのか? という観点からストーリーは展開した。そこでは経営者の思いだけでなく、現場にいる管理者と従業員が考えて行動する仕組みをどのように用意していくのかという点に答えを見いだした。答えは管理することではなく、しっかりとした注目すべき「ものさし」と、その使い方にあった。

ケース4「飲食店」

 競争環境の中で、企業が競争力を保つために必要な人材という点から企業の社内温度を高めていこうとする経営者の姿を描いた。経営者にとって現場感覚というものは重要である。それは戦略を立案する上で、最も重要と言っても過言ではないだろう。その現場感覚の重要性を示すとともに、最も顧客に近いポジションにいる従業員が自ら考え、実行していく姿を描いた。多くの経営者が悩んでいる現場思考と自主性を社内に根付かせることに成功した企業となった。

 これら4つのストーリーに共通点はあるのか、あるとするならば、どこなのか、という質問に山川はどのように答えるだろうか。そのような思いで山川へ質問をした。
 「山川さん、これまでのストーリーで共通点はあるのでしょうか。あれば、それをまとめることで、多くの企業自らが変革へ歩んでいけると思うのですが…」
 山川はうっすらと笑みを浮かべ淡々と話し始めた。
 「ここまで経験をさせていただいた企業における共通点は確かにあります。個別企業のことなので具体的には話せませんがね…。今、多くの情報が簡単に集められる時代です。このことが何を意味するのかと言えば、多くの企業で改革を行おうと思えば、その方法や導入すべき制度・システムは簡単に見つかるということです。私のようなコンサルタントと呼ばれる人間も非常に多く活躍している。本気で取り組みさえすれば、必ず変わられる時代であるということです。しなしながら、今回お話をした企業のように実際には変わられない企業が多い。それはなぜなのか。それがあなたの質問への答えです」
 「もっと端的に言うと、変わらなければならないと本気で思っていない。もしくは、時代の流れを読むことができずに変わる必要性を感じていない。仮に経営者が感じていたとしても、その意識を従業員と共有できずにいる。変わられないという企業が抱える問題の共通項はここにある」
 「どういうアプローチで解決すべきか。その点はいかがですか」
 山川は答える。
 「現状を認識するという当たり前のことからから始めることが最も重要だと言えます。企業経営の通信簿と言われる財務諸表、各種の業務フロー、人や組織面、コンピューターシステム。これらを客観的に見つめ直す必要があり、ここが出発点です。また、企業や業界を取り巻く環境についての調査も必要です。社会情勢や業界の変化、競合他社の動きも見据えた変化を感じる取ることが重要でしょう。そして課題も構造化する必要があります。そこから導かれる企業が抱えるリスク、危機感をしっかりと抽出しなければなりません。そこで意識したことを経営者は冷静に認識し直すこと。また、大きな変革を行う必要がある場合は、この認識を従業員にきっちりと伝えることも重要です。仕事のやり方が変わることは当然のこととして、方針や制度が変わることによっても現場は大きく変化し、追いつめられることが多い。厳しい場面になった時、この難局を全員で乗り越えようと試行錯誤を繰り返せるのか。それとも、ポロポロを従業員が抜けていくのか。実は、先にお話をさせていただいたように手法は簡単に手に入る。改革をやり遂げるには人こそが重要なんです。人に尽きるのです」
 山川はそう話すとポツリとつぶやいた。「日本という国もそうなんだが…」
 「目の前の事実をしっかりと把握し、逃げることなく全員一丸となって課題に立ち向かう。国も企業も同じ理屈です。私は、この事実を伝えることとともに、改革という実践の中で多くの人に感じてもらう努力をしなければならない」
 そう話した山川は、新たな企業改革を手掛けている。

文/朝日ビジネスコンサルティング・古川 武史
takefumi.furukawa@asahibc.co.jp

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